七海の指差す方向には
赤毛の奴。


「あー、その隣
イケメンじゃーんっ!」


…手当り次第
いってみますか。

「七海、頼んだよ」

「えーナギも来なよ~」

「あたし自分から
声かけたことないし。」

「んもぉー…



あーあ!
今夜どこに泊まろっかなぁ~」


聞こえるように
わざと大きな声を出す。


1人なら直接声をかけるんだろうけど
相手は2人みたいだから。


「…ね、君可愛いね?」

案の定簡単に引っかかる。
にやにや、下心丸出しで気持ち悪い。

「え~?
そんなことないですよぉ~♪」


甘ったるい声で七海が
誘うのは赤毛じゃないほう。


赤毛さんも
わりとイケメンでは
あると思うんだけど。

そこは七海も賢いから。


「…お前もか?」

赤毛の視線があたしを捉えた。

七海とイケメン君は
もう2人の世界。

「…まあ」


「俺が相手してやろう」

無表情だからよくわからないけど。
…綺麗ではないと思う。


それでも
「…よろしく」