《さて、鬼さんのしゅっぱーーつ!!!》
この合図で
鬼役がそれぞれ駆け出して行く。
廊下…歩いてればいいか、なんてやる気のないことを思ってたんだけど。
「ちょっとちょっと、それはないんじゃない?」
廊下に出た瞬間、視界に入った鬼。
「…そういう和哉も鬼役全うしたらいいんじゃない?」
「俺、女の子に捕まっちゃうから」
「あー……へー…イケメンは大変ですね。」
こんな、人に見つかりそうなところで
いつまでもこいつと話してたくない。
……のに、
「…なに、」
手を引かれて
唇を塞がれてしまう。
「…ん、ちょ……」
「……胡乃葉もそろそろ、欲しかったでしょ?」
ニッと悪い顔で笑う和哉は
あたしくらしいか知らないだろう。
「調子乗らないで。」

