ーーヒュッ……バシッ!
1度取ってしまったらもう同じ。
あたしはまた主導権を握った。
「「及川さんすげぇーーー」」
「佐藤くんっ!」
外野にいるクラスメイトの佐藤くん。
きょとん、とするけど
しっかりキャッチしてくれた。
そして、ちらっと和哉に視線を目配せすると
理解してくれたらしい。
そのままふたりで
集中的に和哉を狙う。
「……おいおい、っと…」
きた!!!!!
バランスを崩した和哉に
飛びっきりのボールを……!!!!
「「「キャーーーーーーッ」」」
「「よっしゃ……!!!!」」
あたしの放ったボールは
見事に和哉に命中。
しかし
「胡乃葉…っ!!!」

