「俺の前じゃ、胡乃葉と渚 半分、みたいな態度とるじゃん」 まぁ、確かに。 「“渚”は基本的に無表情だけど 俺の前では結構出してくれてるよね」 「それは気のせい」 「えー。俺だけ、みたいなやつ 嬉しかったんだけど」 話がそれまくっている。 そもそも引っ越しの最後の荷物を 運ぶためにここに来たのに。 ーーーートンッ 「…」 「ドキドキする?流行りの…壁ドン。」 「しない」 和哉から香る甘い匂い。 整った柔らかい唇で口を塞がれる。 …前から思ってたけど 和哉はやたらキスがうまい、と思う。