「1人ね、すっごい真っ赤だった!」
「真っ赤…髪?」
「髪も目も!!でもなんか
綺麗だなぁって思ったんだけど…」
真っ赤…
そんなのいくらでもいるし。
「襲われかけた人を綺麗なんて変か!
あ、ごめんね?
胡乃葉、朝苦手なのに
こんな話しちゃって…」
「ううん、美紅のが大事だから」
美紅を安心させるためににこっと微笑む。
どの口が言ってんだか。
学校で本性を出さないあたしが、
誰かをここで
大切に思うことなんて
できるわけないのに。
「渚~今日は遅いじゃねぇか~」
「…ちょっとうるさいやつに
付きまとわれて。」
そう、放課後も和哉が
図書室にいて
どうにか撒いてきたんだよね。
「ナギぃ~…」
「何、七海すっごい
不細工な顔してるけど?」
「もーっ!昨日のイケメンくん
うまかったの~??」
「…シてない」
「「「え!!!?」」」
きれいに声がそろってる(笑)
「なんでみんなでそんな反応すんの?」
「や、お前珍しいんじゃねぇの?」
「珍しいと思う」
「やっぱ、知り合いなんでしょ~」
あ、そっか。
知らないって言ったっけ?
「だって学校で
同じクラスの人だし。」
「「「え!!!!??」」」
「だから…そんな驚かれても」
…みんなにはどうでもいいことでしょ?

