大好きなのは貴方の×××(仮)



涙なんて流したの
どのくらいぶりだろう…


今日から新学期。

高校2年の1月。


そろそろ進路を決めるべき時期…



「胡乃葉、どこ行くの?
…ていうかもしかして進学しない?」

「和哉は?」

「んー…まだ迷ってる。
模試とかこれからだし」


和哉と前後の席になって、
和哉が振り返って
進路調査の紙を覗き込んでいた。


普通に話しかけてくる和哉を
ちょっと、尊敬した。


「大学なんかいけない。
そんなお金
どこから出ると思ってんの?」

「えーーーーーっ!?
胡乃葉、就職するのーーっ?!んごっ」


いつの間にか話を聞いていた美紅が
声をあげるから
必死に口を押さえた。

…が、美紅の声が大きく、
クラス中に聞こえていたらしく…

「え、及川さん進学しないの?」

「なんで?もったいない!」

そんな声があちこちから聞こえる。


「はいはい、
おしゃべりは自分の進路調査用紙
書き終わってからにしなさいねー」
なんて先生もいうから
聞こえてただろう。