聖なる夜が明けて
高校は冬休みにはいる。



「ん…」

カズを抱きしめて寝ていたはずなのに
隣は抜け殻だった。


「ずいぶん…はやいんだね…」

もう行ってしまったのか、
物音ひとつしない。

「だったらなんで
連れてきたわけ…?」




「俺、家継がなきゃいけねぇんだよな」



ドアのあたりから声がした。


どこかへ行っていたらしく
ビニール袋を持っている。

「なに、
どっか行っちゃったと思って
さみしくなってた?」


「…うん」

へらっとしてたのに
急に驚いた顔になる。


「うんって…
そんな可愛いこと言わないでよ」


「…」


よかった、
このまま離れたら
絶対モヤモヤしてた。



「…まだ朝早いけど。
朝から重たい話、聞く?」


あたしがじっとカズを見て
なにも言わないのを返事だとみたカズは
笑ってため息をついてから
ベッドに座るあたしの横に
腰をおろした。