「え…」 カズがあたしの手をひいて キスをした。 それも 優しく、堕ちるように… 「わ…」 そのまま引き寄せられてしまった。 寝ぼけてるんだ… 「渚…」 なのになんで あたしの名前を呼ぶの… あたしは カズの手の中にすっぽり。 あったかい… ここで抱きしめ返してはいけない。 そんなことできるのは 本当に愛し合う人だけ… あたしは、 されるがままにされることで この世界を生きている。 そうすれば自然と 夜をひとりではなく 過ごせたから。 なんで…