ー夢をみた。 真っ暗闇の中で 自分の少し前を歩く黒い影。 「誰…お兄ちゃん…?」 呼びかけても振り返ることなく どんどん距離が広がっていく。 「ちょっと…」 手を伸ばして走り出すと 突然に景色が変わった。 行く先は暗いまま、 周りは明るい光。 黒かった影は 見覚えがあって… そのまま進んだら黒い闇に 飲まれてしまいそうで 必死に手を伸ばすのに届かない。 「待って…カズ!」 影が振り向いたと思ったら 闇に消えていく。 悪寒がはしる。 その先へ行ったら どうなってしまうの? 「待って…」