「…っはぁ」 「渚、足遅すぎ…」 あるアパートのロビー。 あたしたちは リュウから逃げてきた。 たぶんこのホテルも 北山家の持ち物であろう。 カズが簡単に部屋の鍵を持ってきた。 「部活とかしたこと なかったから…」 体力には自信がない。 「部活してなくても “運動”は毎晩してただろーに」 「…うるさい」 頭をぽんぽんとする 大きな優しい手。 こんなの…慣れてたはずなのに…