それから1ヶ月。
12月になって、
すっかり空気も冷えてきた。
「さっむ…」
「はいっ、あったかいココア〜」
目の前に天使の声と品物。
「美紅〜ありがとー!」
「ん?胡乃葉ってココア好きなんだ?」
と、思えば
できれば避けたい声。
「あ、和哉くん!
ご飯一緒に食べる〜?」
「まじ?あ、でも今日弁当なくて
食堂なんだよなぁ…
残念、また今度!」
美紅が和哉と話すことに
ずいぶん慣れて
仲よくなっちゃったから
あたしとしては困っている。
あれから、和哉とは変わりなく。
一応イケメンの和哉といたら
一部の女子たちが怖いから
なるべく避けてはいるつもり。
「あ〜…
ココアあったかい…おいしい…」
「胡乃葉って寒いの弱そうだよね」
「うん、苦手…」
この地域はあんまり雪は降らないけど
冬というものはどうしても、寒い。

