「胡乃葉っっっ」
ーがばっ
「うぇっ?!み、美紅…」
教室に入るやいなや
ふわふわのいい匂いに包まれた。
「風邪?もう元気?
心配したんだよっ?!
あ、休んでたぶんのノート
コピーしておいたからねっ!
あたしのノートじゃ
足りないかもしれないけど…
あ、あとね?次のテスト範囲がっ」
「ストップ「んご」」
一気にまくしたてる
美紅の口を塞いで、またすぐに離した。
「…胡乃葉、久しぶり〜!
…えへ。久しぶりで嬉しくって
いっぱい喋っちゃった」
もう…
「ありがと、美紅」
この子可愛い。
ほんと、天使だわ…こりゃ。
「おはよう、胡乃葉、斎藤さん」
教室のドアでそんなこと
してるから
「あっ、和哉くん
おはよー」
図書館に置いてきた和哉が
きてしまった。
「2人ってほんとに仲いいよね。」
「うん?」
「もしかして
お前が本気になれるのって
女の子だけだったりして」
最後は
美紅に聞こえないように
ボソッとつぶやいて
横を通り過ぎていくこいつは
「たち悪いな…」
「?何か言った〜?」
「んーんっ
なんでもない!席行こっか」
先をいく和哉の背中が
笑ってる気がして
なんか、ムカついた。

