「ねー…リュウ…」


「なんだよ」



「渚のこといいの〜?
修学旅行が終わって1週間、
一回も見かけないんだけど〜?」



「電話もでねぇしな」


「…俺らにできることは
待つことだけだろ…」


渚は顔を出さなくなった。
暇なときに適当に
集まってただけだから、

こうしていなくなってく奴も
もちろんいるんだけど
渚の居場所はここだけだろ…


こんなのは俺の独りよがりか…



北山家の
医師だというおっさんは
3日前に亡くなった。



飛鳥や京平が
看取ったが、
カズとかいう赤毛頭も
とうとう現れなかったし、


渚も電話に出ることはなかった。




「おい…」


聞き覚えのある声がした。


「…お前…」

「和哉。…胡乃…いや、渚は?」


訪ねてきたのは
たしか赤毛頭の弟であり、
渚のクラスメイト、
ついでにイケメン。



「いねぇよ」


こいつ、絶対
渚のこと好きだからな


俺の知らない
学校での渚を知っている。


明るい世界の渚を…


「お前、渚のやつ、…学校は?」