親父たちは
兄貴が逃げたぶん
俺におしつけた。
なにかと兄貴と比べて
“俺”は否定された。
家出して3日くらいだっただろうか。
なんだか眠れなくて
外を歩こうと街に出た。
空は暗いのに
たくさんの店の光であふれていて
人も少なくない。
家路に急ぐ人、
ぶらぶらする人、
お酒がはいってフラフラしてる人、
いろんな人を客観的に見て
その中に紛れていることで
安心感を覚える。
「え……」
自分の目を疑った。
すれ違った女の子。
…及川……?
気づけば後をつけていた。
なんで、こんなところに
こんな時間に
ひとりで……?
しかも駅とは反対方面に。

