ロビーに着くと
自動ドアの向こうに
ふたつの人影を見つけた。
柴沢さんと思われるほうは
黒いタイトなコートに
高そうな、ヒールつきのブーツを
履いて、マスクを
しているようだった。
少し時期が早い気もしたが
モデルは流行を先取りした服を
着るらしいことを思い出した。
もう1人は
黒っぽいショートパンツに
二ーハイ、
白いコートを着て
柴沢さんと同じように
マスクをしていた。
はじめは
マネージャーの山田さんだと
思ってたけど
あの人は柴沢さんより
頭いっこ分は
背が低かったはずだ。
少し離れていても
スタイルがいいのが見て取れる。
「おはよ、胡乃葉ちゃん」
あたしに気づいた柴沢さんが
笑顔を向けてくれた。
「…おはようございます…
その…誰です…?」
マスクをとるとどっかで
見たことあるような顔…
「女優の堀西 麻美です」
堀西…?
聞いたことあるんだけど…
「胡乃葉ちゃんってほんとに
こういうの知らないのね」
「テレビとか…見れないし」
たまに広告で見るくらいだ。
…それより。

