「そう、黒髪ロングの貴方」
急に話しかけられて
何…名前言えばいいのかな…?
「及川 胡乃葉です…」
「胡乃葉ちゃん、
モデルとかやってる?」
あたしと柴沢さんの距離は
柴沢さんがあたしに
近づくことによって詰められていた。
「…いえ」
ちょっと近くない…?
あたしの顔を覗き込むようにするから
あたしは若干のけぞった。
「…勿体無い…」
「…はい?」
「服で痩せて見えるけど、
胸も案外あるでしょ?」
小さい声だったから
近くにいる美紅にまでしか
聞こえてないらしい。
「あのー…?」
「Dか…いや、細いからもっと…?」
「……」
鑑定するような目に
どうしたらいいかもわからずに
ただ突っ立っていた。
肌も綺麗ですよ~!、なんて
美紅まで参加している。
「ね…、ちょっと
お仕事してみない?」

