それから
またバスに乗って
今度は仁和寺についた。
ここは美紅のチョイスで、
何かの映画のロケ地になっているらしい。
「うっわぁ~!!
胡乃葉どうしよう!!」
入り口の鳥居をくぐるやいなや、
天使さんは大はしゃぎ。
「ここ!この通り、
宣伝のCMで使われてた!!
ってことは
ここ歩いたんだよね!?
わ~っ!!!すっごいっ!!」
ひとりで先を
こっちを振り返りながら
前を見ずに進んで行くものだから…
ドンッ
「きゃっ」
案の定長身の女の人に
ぶつかって、
美紅は
お尻をついて転んでしまった。
「あらやだ。大丈夫?
可愛い子なのに…怪我とかしなかった?」
女の人は
かけていたサングラスを
外しながら美紅に
手を差し伸べていた。
「………!!!!?」
「美紅?大丈夫?」
あたしも追いついて
美紅に近づくが、
なぜか固まっていた。
「えっ!
もしかして…」
優男な高橋くんも
はっとした顔になる。
…なに?

