「あ…っ!」
男に開放された美紅が目を開けた。
「美紅、大丈夫?」
「大丈夫…だけど…
…この人たち、どうしたの…?」
大きな身体を
道路の上でくねらせていたり、
うずくまっていたり。
「…さぁ?とりあえず…行こっか?」
あたしは疑問にまみれた美紅を
引っ張って、
追いかけてこなそうなとこまで
走った。
ほんと、なめてもらっちゃ困るね。
骨抜きにすることくらい、
簡単なことなんだから。
ジーンズとかじゃなくて
柔らかい生地のズボン
履いててよかった…
そうじゃなかったら
あんなに感じて
くれてなかっただろう。
それから何度か
ナンパに捕まったけど、
あたしが思いっきり
ガンとばしてたから
さっきみたいに
無理やり掴んでくる人とかいなくて、
ことは大きくならずに済んでいた。

