「ナギって、不思議だよな」
「…まぁ確かに」
「なんてかさ、
目を離したらすぐどっか
消えちゃいそう、みたいな。
野良猫…みたいな、
なついたりするのかな…?」
「俺のイメージは漆黒だな。
髪も真っ黒だし。」
「じゃあ黒猫…?」
黒猫か…
勝手にふらふらしてるし
心開いてねぇし、
そうかもな…
一応信頼されてるとは
思ってたけど…
俺だけがあいつを
わかってやれてると
思ってたけど…
「………飛鳥」
「なんて顔すんだよ」
「悪い、リュウ…」
「お前らがあやまんな」
俺は、どうやら泣いているらしい。
理由はわからない。
ただ、なんとなく悲しかった。

