『な…ッ!』
「大丈夫だよ、リュウ…
和哉はすぐ冗談言うから。
…近いのは確かだけど」
あたしと和哉は
ロビーの隅っこにいる。
簡単には気づかれない。
『待てよ、もー…
わけがわからねぇ。
お前と渚が一緒なのは
修学旅行だからだろ?
そうじゃなくて、おじさんのことは
もういいのか…?
カズの弟ってことは
お前だって面識くらいあんだろーが』
「…リュウ、この件については
もうやめだよ」
『…』
「あたし、カズと会ってから
変だったんだよ。
人のことこんなに気にするなんて、
うちらには必要なかったのに」
しばらく沈黙だった。
『…渚、早く無事に帰って来いよ…』

