あたしが硬式テニスを始めたのは小3のとき。
驚くほどに下手だった。



そして君に出会ったのは小4の雨の日。


───────
─────
───


「浅緋!こっち」
「美緒っ」


遅刻してしまったあたしはやっと広い体育館の中で美緒の姿を見つけた。


今日は地元のスポーツ育成会の開会式。

うちらの町ではスポーツが盛んに行われている。

硬式テニスは去年と比べて人数が増えていて2列に並んでいた。

やっとすわれて息をはくと、隣から声をかけられた。

「お前、遅刻?」

驚いて振り向くと、ニヤリと笑った男の子がいた。



かなりカッコイイ。




だけどばかなあたしは
「悪い?」
って答えてしまった。




それっきりその男の子は話しかけて来なかった。







.