その店員さんは
店を回り、カップルの顔をジッと見つめる。
たまに『ほんとにカップルぅ?』なんて
面白いツッコミを入れながら。
「ハハッ面白いねあのひと」
尚人が笑ってる。
先生じゃなくて、小林尚人っていう男の人が。
『はいはい、楽しんでくれてますかぁ?』
「楽しんでます!!」
尚人の目は、幼いころカブトムシを見つけて喜んでいる子供のような目。
『あんたら、美男美女カップルけってーな☆』
そしてその店員さんはにっこり笑ってひとつウインクをした。
「え?でも私達・・・カップルじゃ・・・」
そう言いかけた時、私の口は塞がれた。
「シーッ、今日だけはカップルでしょ?」
先生は、尚人は、笑った。
