レオナルド・ダ・ビンチを思い出す
ダビンチも最初は卵から書き始めたんだっけ………………
そう言えばこの話、お母さんが話してくれたんだっけ
十三回目の最後の一音と同時にフランツは
「ハイ、キョウノレッスンハコレデendデ〜ス」
「あ、はい、どうもありがとうございました………」
「ソウデシタ、ジカイマデノカダイヲノコシトキマショ〜」
「課題?」
「Yes!モノガタリヲスクッテキテクダ〜サイ」
「物語ですか………」
「ハイハ〜イ Thank you very much See you next time〜」
テンションが高いまま始まって高いまま終わる………それに意味のわからない課題………
想像上のフランツとは随分違う………
もうアラベスクのことを考えるのはやめよう
いまの私に必要なのは技術ではなく感情
焦る気持ちをどうにか抑えればきっとフランツも認めてくれるはず………
「ママ………頑張るよ………」
?「おっとと 危ない‼」
「え⁈ あぁああ〜‼」
誰かとぶつかってしまった
今日といい、昨日といい、よく人とぶつかるな〜
ここの人は前を見て歩かないのですかね〜
「すみませんでした 以後気をつけます」
?「あれ?葵依ちゃんじゃない?」
「はい?あ!!確か〜えっと………」
?「日向だよ日向」
「あ、はい、思い出しました」
確か昨日いきなり部屋に突進して来た人の一人だったような………
日向「楽譜落ちちゃったね
一緒に拾おうか?」
「いや、大丈夫です 気にしないで下さい」

