残されたのはこの家と、お父さんにかけられた保険金だけ

あたしはひとりになった



そんなあたしによくしてくれたのがお隣に住んでいた啓介の家族

「よかったら、おばさんの家に来ない?」


そう言って、ただ呆然と立ち尽くすことしか出来なかったあたしを優しく迎え入れてくれたのだ

そこから高校に上がるまで面倒を見てくれた、親の愛情を知らなかったあたしにはその優しさがあったかくていつの間にか大好きになっていたんだ


高校生に、なった今も夕食に誘ってくれたりいつもあたしのことを気にかけてくれる啓介の家族

いつまでも甘えてばかりはいられないから家に帰ると言ったあたしに、いつでも帰ってきたらいい、ここはみさきちゃんの家でもあるんだから

なんて、優しく微笑みかけてくれたおじさん

帰ると言っても隣の家なのにあたしの涙腺は崩壊した