あいちゃんとは行きつけのクレープ屋さんでクレープを食べてそのままバイバイをした
———…ガチャ
家の扉をあければ、そこはいつものシーン、と静まり返った空虚な空間
いつもと変わりないこの景色に、何故だか今日は泣きたくなった
「…啓介に会いたいな」
そっと囁いた独り言はやけに大きく響いて、消えた
お父さんもお母さんも家には帰ってこない、というより、もうこの世にはいないのだ
もともと体の弱かったお母さんはあたしを産んですぐにこの世を去った
お母さんのことが大好きだったお父さんはあたしを産んだせいでお母さんが死んでしまったから、あたしを酷く恨んでいた、毎日暴力を振るうお父さん、怖くて怖くてごめんなさいと謝ることしかできなくて、死んだ方がいいのかな?なんて考える毎日
だけど、あたしが中学生に上がってすぐにお父さんが自ら命を絶った、お母さんの眠るお墓の前で
