「ここのアイス、超美味しいから!」


と奈美恵は興奮気味に言う。


一口食べると確かに旨かった。


今度、景を連れてきてやろう。


「律樹?何アイス見て微笑んでるの?そんなに美味しかった?」
「ん、まぁ…そんなとこだ。」
「へぇ……」



答えた俺に、奈美恵は興味なさそうに反応した。




「ねぇ、律樹」
「あ?」
「これ食べたらさ、二人っきりになれるとこ行きたいな。」
「…………」


いいよね?とすり寄ってくる奈美恵に、俺は無言で返した。



結局、俺達が来たのはカラオケ。


俺が初めて景にキスをしたあのカラオケ店だった。