「好き……俺を？」
「そうだよ……。でも男だし叶うはずないって思って。見てるだけでよかったのに…なのに。」
和泉の声がだんだん小さくなっていく。
「なんで関わってくるんだよ……。本当、迷惑……」
「………………。」
今まで何人もの女と付き合って、“好き”って言葉を囁いてきた。
同じ言葉なのに……
どうしてこんなに意味が違うんだろう。
どうしてこんなに胸が苦しいんだろう。
「………好きだからかも。」
「え…？」
「俺も和泉が好きだからかも。たぶん」
「何でたぶん？」
「仕方ねーだろ。恋ってしたことないんだから。」
正直に言ったら和泉が笑った。
やっぱり笑顔が似合う。
「学年一の遊び人が聞いて呆れる。」
「うるせーよ。わかんねーんだよ、好きってどういう事か。でも、今……和泉を可愛いと思った。」
真っ赤だった顔がさらに赤くなって、そんな所も可愛いと思った。
「顔真っ赤。」
「うるさいな。新城が変なこと言うからだ、馬鹿」
「随分可愛くないこと言うな？ま、そんな所も可愛いけど」
「なにそれ？」
「さぁ？和泉、ツンデレってやつなんじゃねーの？」
おどけて言うと頭を叩かれた。
