男ときどき女

十一時頃。とある道場前。


二人の女がそこに立っていた。

「これが可奈ちゃんの幼なじみの家かー」

「違うよ。それは道場で、その隣だよ」

少し得意気に話す可奈は嬉しそうにもみえた。


道場の中から、バン、と音が聞こえてくる。


「やってるなぁ」

そう声を出した可奈は入口の戸に手をかけた。