「ねぇ、可奈ちゃん」

可奈はなぜか眼鏡を外して見つめてきたサクラに首をかしげる。


「可奈ちゃんの兄弟みたいだって人に会ってみたいんだけど」


可奈はその言葉の後ろに見えるチビの姿を確認して、また顔が赤くなりかけながら「なんで?」と訊いた。


「会いたいって思うのに理由がいる?」


取って付けの言葉ではぐらかされたが、チビに近づいてサクラを誘った自分自身を考えると、それもそうかと納得してしまった。


期待に覆われたオーラが全身に伝わってきた。


「ま、いっか」


これが後でどういう事態になるのか、可奈は考えなかった。