「あー面白かった」

女陣はさっきの映画の話題で埋まりきっている。


男陣は眉間にしわをよせながらこう言った。


「恋愛の方がよかったなぁ」

普通は逆だろうと心の中で呟き、怜と顔を見合わせた。


俺と怜は趣味がほとんど似ている。

そのため彼とは沈黙を交えたことがない。


「なんか気が合うね」


その後、“初めて会った気がしない”と続けられ、“そりゃそうだ”と頷いてしまった。



ふとサクラを見ると、考え込んでいるようなしぐさをしていた。