男ときどき女

「違うよ」

しかしサクラは“またまたー”という顔をした。


そして思いっきり否定すると。

「じゃあ誰か好きな人いる?」

「それは…」

一瞬、男女のチビが頭をよぎった。

「好きっていうか、兄弟みたいな人ならいるよ。

チビでバカで、でも時々優しくて、やっぱりチビで…」


「なんか楽しそうに話すね」


横からスッと入ってきたサクラは微笑みながら言った。


可奈は少し顔を赤くして「先行くね」と言って走り去った。