狭い路地を抜け、大通りに出た。
俺の横を時々人が通り過ぎる。前方約五十メートルから学校帰りの女子高生が歩いてきた。
休日に学校?と思う矢先、あれが誰なのか気が付いた。
可奈だ。
たとえ女装していたとしてもバレる可能性があるのはおそらく親か彼女だけだ。
迫る歩みに、さっきまでのテンションは消え去っていた。
帽子を深く被り、顔を見られないようにして歩いた。
すれ違う時、心臓は破裂寸前だった。
ふぅ、と震えた声を出す。
あとは家まで直線だ。急ぎ足で向かおうとした時。
「あの…」
可奈はいつも出さないような声で話しかけてきた。
「これ、落としましたよ?」
そう言うと、何も持ってないない手のひらをでこぴんの状態にして、軽く俺のでこを叩いた。
「何やってんの?」
いつもの口調に戻り、全て見通されたように帽子を取られた。
俺の横を時々人が通り過ぎる。前方約五十メートルから学校帰りの女子高生が歩いてきた。
休日に学校?と思う矢先、あれが誰なのか気が付いた。
可奈だ。
たとえ女装していたとしてもバレる可能性があるのはおそらく親か彼女だけだ。
迫る歩みに、さっきまでのテンションは消え去っていた。
帽子を深く被り、顔を見られないようにして歩いた。
すれ違う時、心臓は破裂寸前だった。
ふぅ、と震えた声を出す。
あとは家まで直線だ。急ぎ足で向かおうとした時。
「あの…」
可奈はいつも出さないような声で話しかけてきた。
「これ、落としましたよ?」
そう言うと、何も持ってないない手のひらをでこぴんの状態にして、軽く俺のでこを叩いた。
「何やってんの?」
いつもの口調に戻り、全て見通されたように帽子を取られた。

