ぐらりと傾ぐ至を少年が慌てて支える。
「ちょっ……待てや!どーいうことやねん!!」
誰に問うワケでもなく少年は口走った。
さすがの少年も混乱を免れない。
至がげほげほと噎せ込む。
マズイ。吐しゃ物が気道を塞ぐ。
「は、吐け!とりあえず!」
その言葉にせり上がってきたモノは全て吐いて、一応呼吸は確保したようだ。
腕の中で至が苦しげな呼気で、体勢を立て直す。
「…みません。…まだ、全然……」
そう呟いて再び手を伸ばしかけるのを少年は本能で止めた。
「あかんっ!何しとるか分からんけども……っ」
何が起こっているのか分からない。
だが、これを続けさせれば至自身がヤバイ、というのだけは分かる。
どうしよう―――どうすればいい?

