彼等の言い分がまるで見当違いとも言い難い。
助けられるならともかく、助けられないのであれば患者の苦痛を少しでも和らげてやろうと思うのも人情だ。
人は必ず死に至る。
その言通りの摂理が今目の前で起ころうと言うだけのコト―――。
その時、人の気配を感じて少年は顔を向けた。
隣に至が膝を突き、瀕死の男の子を見詰める。
「どのくらい時間があれば間に合いますか。」
「……明確にゃ分からへんけど」
「出来る限り………やってみます。」
何をやねん。
真っすぐ男の子を見下ろす至を少年は怪訝な面持で見詰めた。
至はこう見えて医者なのだろうか―――?
もしそうであっても手遅れ、だ。
それが分からぬ医者なら尚更THE END。
はい、それまでよ。
ご愁傷様。

