少年の言葉に彼が取りだしたモノは
―――ナイフ。
隣の彼女も示し合わせたように両手にナイフを構えた。
おいおいおい…
なんかせぃとは言ぅたけど、なにしよる気や。
「え?だってなんとかしろって言うからさぁ…」
「や、方向性違ぅやろ、明らか。」
でも……と呟いて、彼は茫たる眼差しを小さな身体に落とす。
「『医者』のスズキが打つ手ナシと判断した状態でどうにかしろって言われればさ、『殺し屋』のスズキとしてはこれ以外にする事もないんだけど……」
「ご安心あれ!今回は特別に慈悲を持ってあっさり逝かせたりますから~。」
少年は改めて天を仰いだ。
あぁやっぱりコイツ等にモノを頼んだのが間違いだった!…と。
終わったヨ。
もう終わりましたヨ。
ナムサン……。
少年は早々と心中で念仏を唱えた。

