並ぶ店舗の一つから黒い煙がもくもくと立ち昇っていた。 その前で一人の男がゲタゲタと身を捩って笑っている。 手に持っているのは――― なんともまぁ、Theダイナマイトというべきダイナマイト。 状況を推測するに気のふれたボンバーが出現して、店をふっ飛ばしたらしい。 リーガル、イリーガル問わず様々な薬が出回っている魔窟で、こんな男も惨劇も、驚くほどには珍しくない。 通行人も慣れたモノで、後ろからボンバーを蹴り倒し、数人がかりで取り押さえた。 一件落着。 ―――と、少年が駆けだした。