「スズキはそれを信じたワケだろ。今更、乙女な幻想抱くほど人体に無知じゃない……のに。」



何にロマンチストでも、医療に携わってきた少年は人体に関しては徹底したリアリストだ。


―――だとしたら。





「『自分の目』で『確認』して『確信』したんだろ?」




少年は沈黙を続けた。


彼は少年から視線を外し、はぁーと面倒くさそうな溜息を落とす。




「居場所知ってるクセに“探させる”ってんなら、見付けだす気がナイんじゃん。もしくは……既に見付けられない状態だとか。」




無表情でただ佇立していた少年は、そこではぁーと深く溜息を吐いた。

彼よりも長く深く。










「後者、や。―――わぃが殺したったんやもん。」






彼がチラリと視線を上げる。






「せやかて。知らんかったんやから仕方ないやんかー。」





少年は腕を組みむっつりと顔を顰めた。