先に至から説明を聞いていたらしい少年がそう付け加えた。




指し示すのは至の顔に残っていた痣。


ただしそれは数日中に殴られた打撲痕らしく一生残るようなものではない。



そんなものが『同じ』ってどういう事?



沸いた疑問を読んだように少年は言った。



『一方が受けた傷をもう一方も受けるらしいで。双子の神秘ってやっちゃな。』





科学では解明されていない双子の神秘。


一方が腹痛を起こした時、別の場所に居てその事実を知らないはずの片割れもまた何らかの体調不良を訴える―――といった不思議現象だ。





至とその姉もそうした現象があるらしい。