「はぁ……俺はもう駄目だ。俺のコトはほっといて先へ進んでくれ……」
「ちょろっと感動セリフっぽいけど、フツーに考えて明らかソレ、サボリ宣言やからな。」
「マジもムリ…。普段こんな太陽の下元気に歩く事ないし。人ゴミ、ホント苦手なんだよね……」
「どんだけ運動不足やねん!」
気分悪くなってきた…と若者らしからぬ軟弱さを露呈させた彼に、少年は思わず突っ込む。
「ホラ。はよ行くで。」
そう急かしてみるものの、彼は「んー……」と言ったきり蹲って動く気配もない。
二人が止まっている間にも至と彼女は先の方で捜索を続けているようだ。
通行人を引き留め、身振り手振りで何か話している姿を少年は見るとはなしに眺めていた。
その耳に寝言のような声。

