「で?」
「コイツによう似た女探してンねん。」
少年の指し示す男を見詰め、男の子は肩を竦めた。
「この辺りじゃ見かけてないよぉー。少なくともこの南地区では見かけてないよぉー。生きてるのも死んでるのもー。」
「さよけ。」
「ごひいきにー。」
にこっと愛相笑い一つ残して男の子はたっと駆けていった。
それを見送り少年が言う。
「情報屋や。ああしてアチコチ歩きまわっとるから中々侮れんで。」
そりゃすげー。
少年は視線を飛ばし溜息を吐く。
「んー。こうなるとこの辺にゃおらん思ぅた方がええな。河岸変えっか。」
その提案でみんなまた歩き出した。
出した……のだが。
「おい~っ。」
その矢先、彼がその場に蹲り、少年が非難と共に詰め寄る。

