やだもう、コイツ等に頼んだのが大間違いデシタ。
少年は溜息を吐いて、間に入った。
「すんません。コイツの双子の姉探してンのやけど。コイツによぅ似とって、傷の具合も同しなんやて。この辺で見かけた事あらへん?」
ようやく納得した店主は、「見てねぇな」と首を振った。
そんな調子で手当たり次第に通行人やら店員に声を掛けていった。
しかしメボシイ情報もなく時間ダケが過ぎていく。
「おにーさーん。なんかお探しのようだけど、一息ついてチョコでもどーですかぁー。」
そんな声に視線を下げれば小さな男の子が篭のチョコを見せてきた。
少年は少し考え頷いた。
「じゃ、その高いんの買ぅたるわ。」
男の子の売るモノには二つの値段があり、十倍ほども値段が違う。
篭の中身はどれも似たような板チョコなのだが。
「まいど」
にかっと笑って男の子は金と引き替えに板チョコを渡した。

