(三)





現在地―――『魔窟』。



ハイ、右から


「スズキ」

「スズキ」

「スズキ」


「……柴荷至、です。」



おぉ~、と三人から拍手が起こった。



「ちなみにコヤツ『死に至る』なんつーステキな愛称も持っとるで!」


ドヤ顔で紹介する少年もどうかと思うが、明らかに不穏なそのあだ名に更なる拍手を続ける二人もどうかしている。





もー登場人物全部スズキでいいわぃっ、と若干意固地になっていた作者も、このスズキスパイラルにはいい加減うんざり感を拭えず、歯止めを利かせたようだ。



とにもかくにも、彼等にとってスズキでないコトは称賛に値する快挙なのである。


これ以上ハナシをややこしくしてなるものか!