立ちはだかった人物は赤茶けた髪にラフな服装の男子―――生徒。


詳しく知っているワケではないが、校内で何度か見かけた事はある。


特別粗暴だという噂もないが、指定の制服を着たり着てこなかったり、遅刻早退、無断欠席の常習者―――と、とにもかくにも自由人で、少なくともマジメな生徒とは言い難い。


嫌な不安が胸を掠める。




「……あ、の。」


「付いて来いや。」




少年は人の言葉を遮って、さっさと踵を返した。


どこからともなく纏わりつく殺気を思って躊躇うものの、拒否する事で事態を悪化するのを懸念してその後を付いて行った。