今朝、学校へ向かっている途中。


敷地内へ足を踏み入れたトコロでカツアゲ現場に遭遇した。


いかにもひ弱そうな男子生徒が、いかにもフリョーと思しき生徒三人に囲まれて小突かれていた。


当然、最初は見て見ぬふりをしようと思った。


なにせ、自分だって喧嘩は強くナイ。


以前に―――

自分には恐ろしい『モノ』が憑いているのだから。

下手に関われば、事態は『小突かれる』程度では済まない。



そう分かっていながらも、少年は現場を少し行き過ぎたトコロで足を止め、踵を返していた。


結果は案の定の体たらく。


でも苛められていた生徒を逃がせたのだから目的は果たせた。





身体が軋んだがそんなコトもお構いなしに、緊張して縮こまった肺に空気を一杯に送りこむ。



終わった………




否。





彼等の攻撃が止んだとて、全てが終わったワケではなかった。




寧ろ彼等よりも恐ろしいモノがその者には憑いているのだから―――