「あっしの攻撃が及ばないのは一重にスズキさんのアタシへの愛情が勝ってるからっすね!!アタシ、愛されてんなぁー。」
いや、それは一重に人間たる防衛本能……聞いて。
一人勝手に盛り上がっている彼女に何を言っても無駄だと悟り、スズキは説明の代わりに溜息を吐いた。
彼女は拳を握り、一点の曇りもない溌剌とした笑顔で言った。
「いつの日か必ずアタシの熱く固い愛でスズキさんを貫き、血でぐちょぐちょに濡らして逝かせてさしあげましょうとも!!乞うご期待っす!!」
絶命―――
それが殺し屋の究極の愛情表現と疑わない彼女の、最大級の愛の告白。
しかし言い回しが微妙にエロい。
なんというのか……メンドウ臭いモノに取り憑かれたもんだ。
皿を持ってルンルン足でシンクへ向かう彼女の後ろ姿を横目に眺めてスズキはつくづくと溜息を零した。