俺、久保 沙茶の家は………ヤクザだった。



結構デカイ組。

けど、基本犯罪的なことはしない。


逆に警察と協力して同業者を捕まえるぐらいの感じ。


で、俺は産まれたときからその組の四代目になることが決まっていた。



それでも小さい頃はよくわかってなかったから、なると言っていたが。




幼稚園年長ぐらいの時、遠くの公園へ行った。


そこで、見たんだ。



巣から落ちて死んでしまった鳥の雛を、手を合わせて弔っている少女を。


「キミ、なにしてるの?」と聞くと、「なにしてるんだろう。わからないけど、ほっとけないの。誰も、見向きもしないから」と。


悲しそうに微笑むから、俺も一緒に弔った。


それから迎えが来るまで、女の子と話してた。



それが、俺の初恋。