――ガチャン!


俺は遥ちゃんと縦に並んで隣の部屋を覗き見ている。

來華が綺麗なフォークで直唯さんの頭に花瓶を当てた。


さ、さすが。

もうさすがとしか言い様の無い來華の運動神経。


俺も少年野球をしてたけど、もう5、6年前だからストライクとれるかも自信無い。

というか現役でもあんな綺麗なフォーク決めらんないだろ。


あいつはまともにやったことなくても極めちまうからなー…。


あ、なんか言い争っている。

あ、ササが止めた。

……殺気がヤバイ。


直唯さんが分かるかどうかは知らないけど、この殺気…、ササはキレてる。


「…來華…すごっ…」

遥ちゃんは口を開けて感心しているんだか驚いているんだか、よく分からない表情をする。

マイナスな表情ではないから安心だけど。