ササに続いて上がり、長い廊下を進んでいく。 けど。 「……ど、どこまでいくの?」 「いや…直唯さんの部屋は、ずいぶん遠くってね…」 と言ったところでやっと止まった。 「失礼します」 珍しくササが畏まってから襖をあけた。 「おぉー、やっと来たかササー」 私がひょこっと襖の端からのぞくと、 やっぱり和服の、遊園地前で見た男の人が胡坐をかいて座っていた。 「…あんたが彼女か」 静かに言うが、凄みがあって頭に響く。