「何に焦ったの?」 思ったまま聞くと。 「…笑うなよ?あいつ、邪魔しに来たみたいだったから來華が二股かけてたんじゃないかって、超焦った。名前で呼んでるし」 えぇええええええ!? 「わ、私にそんな芸当ができるとでも!?碧は、その。碧にとって、私は唯一の家族だから……」 唯一。 唯一人の家族だから。 「唯一?」 ササが不思議そうに、訝しげに聞く。 碧のおかげで話しやすくなったな。 「それが、大事な話」