その男の子は、 意外と歩くスピードが速くて 必死になって駆けても、 なかなか追いつかない。 進め、私の足! 何度も何度も、もつれそうになった 転びそうになった 通勤、通学ラッシュで人が大量にいる中 必死で人を掻き分けて、 必死で追いかけた 「待って!行かないで!」 数メートル先にいる彼に向かって、 私は今まで出した事のないくらい 大きな声で叫んだ やっと、彼の頭がこっちに向いた 少し不思議そうにこっちを見渡す